みずのせい
みんなみんなみずのせい
それはかたちになったり
ならなかったり
ぜんぶぜんぶいっしょ
つめたいねとか
きもちいいねとか
感じたそばから
瞬く間にきえていく
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わたしも
きもちも
そのうちきえる
だから大丈夫
かなしいもうれしいも
そのうちきえる
だから大丈夫
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ある場所で出会い
私が欲しかった詩集
気づいたら史さんが持ってた
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いろんなニュースに
伽藍堂な気分のこのごろ
ことばのちからに救われる
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ことばのとなりにいる
それで生きられるのなら
いいじゃないか
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そこにあった
人々の暮らしを
そこにあったいきもの達を
そこにあった風景を
そこにあった日々の
つみかさなりをおもう
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くりかえし くりかえし
ひいてはかえす なみ
つめたいかぜ
かんじながら
なにもせず
ずっとみていた
なみのおと
かぜのね
わたしのこきゅう
ちがうようで
まるでおんなじ
わたしがいきてるふしぎ
おわらないなみのふしぎ
おかえり
にじいろに
ひかる
がいとう
もう きょうは
おわりです
きょうというひが
あかくそまり
やまの
むこうがわへ
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みんな かえる
みんな家という場所へ
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さよなら
またね
おかえり
ただいま
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冬の夜は
おかえりという言葉が
ほくほくとあたたかい
いつもよりも あたたかい
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その一瞬の
かがやきに
見惚れる