はるのうた

 

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春がきて

桜が咲いた

みなみからふいてくる

うすももいろの風にのり

まいあがる

はなふぶき

ひかりあふれる

この瞬間の

風のうたをうたおう

 

 

 

春がきて

こぶしが咲いた

いちねんぶんの

はる、なつ、あき、ふゆ

しろくささやかな

花びらがひらく

今だけの潔さを讃えて

はるのうたをうたおう

 

 

 

春が来て

かえるがないた

これからむかえる

初夏の陽射し

水はる田んぼにひかる

羊雲

真夏の蝉時雨をおもい

うまれてきたよろこびを

胸に

今だけしかうたえない

はるのうたをうたおう

 

 

 

春がきて

ことりがないた

ニンゲンの都合とは無縁の

巣作りのじゅんび

生まれながらにして

もっている

本能に身を任せて

はるのうたをうたおう

 

 

 

春がきて

たくさんのいきものが、

いっせいにうごめく

りゆうなんていらない

すべてのいのちを

喜び、いわう

あたたかい

ことばをのせて

はるのうたをうたおう

 

 

 

春がきて

ちょうちょがとんだ

やまつつじのピンクからとびたつ

きいろのひらひら

 


たんぽぽ 

ふぐり 

おどりこそう

しゅんらん

かたくり

やぶつばき

れんぎょう

つつじ

きんぽうげ

 


すべてのことが

ちいさないのちの

ともしびのれんぞく

じぶんの

いのちもそこにかさねて

はるのうたをうたおう