綾部

ふみさんの仕事について綾部に行ってきた。
黒谷和紙の職人さんに会いに。
京都市内から一時間半。
京都市内のコンクリートの群れから離れて
どんどん北上していく。

高い位置を走る高速道路から見下ろす景色は
山と山の隙間にぽつりぽつり、
民家の並ぶ集落がみえた。
その民家の屋根は昔ながらの瓦屋根
雪に備えるためであろう、屋根の勾配も急な民家が多い
名古屋や静岡ではみる事のない形式の住居がたくさん通り過ぎて行く

その民家のとけ込む風景がとても美しくて
葉を落とした細かな枝の群がる山のいろがとても美しくて
何度もシャッターを押そうとしたけどあきらめた。


山並みにうつる民家の屋根は瓦屋根が一番美しいと思う。
瓦もその土地の土で作られているから、 
街にあふれる新建材でつくられた建物とはちがって
その土地の自然になじむ色になっている。

どんどん通り過ぎていく山は
いつもみている山の色とは違う
大好きな小野竹喬の絵を想った


実際にみる風景からの色と
目で見て受け取る色は違う
曇り空の下に映るグレーでも
そのグレーはとてもあたたかい

立ち枯れしている薄や萱の色も
いつもみている色よりも、ひとつ濃い色
全体的にいろんなものがワントーン濃いような気がした
土の色もところ変われば変わるからなのかな?
植物の色も濃くなるんだろうな
植物達が発する色は本当におもしろい

高速をおりてさらに山の奥へと進んで行く
静岡の山奥でもみることができない景色が広がる
みた事のない景色のはずなのに
どうして懐かしいきもちになってしまうんだろう

綾部は黒谷和紙という無形文化財のある場所
過疎で人口が減ったものの、
移住の人が今はたくさんいるようで
新しい文化がうまれつつあるみたい

今までの概念を捨てて
まったくのゼロのところから
新しい世界を築いていこうとする人が
集まってくる村

なんにもないようで
たくさんのものでみたされている
とてもしずかなあたたかい空気がみちていて
とてもきもちよかった

お話をきいた職人さんも
まったくのゼロからの始まりだったみたい
私たち夫婦との意外な共通点があった
このかたのつくるものや
やっていること
全部この方そのもの

私は付き添いでいっただけだけれど
たくさん刺激された

和紙は書かれるものとしての役割だけでなく
壁紙や床の材だったり
建具や家具なんかにも使える。
とても洗練されているけど
柔らかくてやさしい表情になる。


綾部にある二つの飲食店のひとつ
オープンして間もないお蕎麦屋さんに連れて行ってもらった
外の空気がとても冷たく寒くなっていたので
あたたかい胡麻蕎麦を。
とても美味しいおそば。
おいしいそばがきのお団子も
御馳走になった。

今度はあたたかい季節に行ってみたいな。

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